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ー山梨県鳴沢村 『富岳』 H14,10,11ー

あまりに整った姿に、なす術もなかった
難しい・・・
一時、雲が流れてきた
またしても雲の力を借りてしか、この山を描くことは出来なかった



 11日 晴れ 中風 パン。お好み。シチュースパ。

 夜中何度か車の音やライトで眼が覚めたが何とか寝ることは出来た。朝は雲に覆われていてまったく富士山は見えなかった。
朝方近くになってからやたらトラックなどの大型車が通るようになり、余計にやかましかったので早めに荷物をまとめる。
テントを畳んだあと昨日ポールの折れた部分をスペアと取り替える。

8時過ぎに出発して河口湖の南側に向かう。道の駅に着いたのは9時半ぐらいで、あらかじめ調べておいたグラウンドや公園などを見て周り、絵が描けるような景色でテントが張れるかどうかをチェックしてから昼にする。
昼を食べたあと買い物に行き、すぐにまた道の駅に戻る。
道の駅敷地内にあるきれいな芝生で午後一枚絵を描く。

富士山は朝と昼間の2時間ぐらい雲に覆われていたが、それ以外は良く見えていた。
しかし見えたまま描いてもどうもよくない。絵にならない。描いた絵を見ながらどうしたらいいか考えてからもう一枚描いた。
群馬県で生まれた技法の繰り返しだが、これが一番良いという結論に至った。
特に今の富士山は雪がないからかなりのっぺらぼうな感じだ。曇の中から頭だけを出している絵はもう描いたからそれ以外の富士山を描きたかったが、曇と組み合わせないとどうも雪のない富士山はださく見えてしまう。

富士山の量感を表しながらださくならない方法は・・・などといろいろ考えた末に描いた絵だけに、もうここ富士五湖には未練はない。
明日からは静岡県だ。テントを張った場所は地面こそあまり平らでなく周りも岩だらけでよくないが、なんといっても他から見られないから落ち着くし、富士山がよく見えるので気に入った。
夕暮れの頃からかなり冷え込んできたが、夜はさらに冷え込んだ。
週刊天気予報ではむこう一週間は天気はあまり崩れないということだった。ぜひそうあって欲しい。いよいよ残り1カ月を切った。