本当にいいものは、苔や汚れをも自分の中に取り込み、
ますますそのよさを増す
そして大自然のように、違和感なくそこにある
25日 晴れ パン。うどん。ミートチャパ。
朝は淡い朝焼けしか表れなかった。
昨日買ったスケッチブックに一枚絵を描く。安いスケッチブックだが今までのものよりは高い。使い勝手は良かった。始めてなのに色の濃さや水加減が想像でき、あまり誤差がなかった。
9時に出発し、立山寺に向かう。今日も天気が良く、山の裾野は車少なく道広くで快適だった。
途中買い物や、柿を取りながら走っていたら、寺に着いたのは11時になっていた。
予定より一時間遅い。道も分かりにくく表示がほとんどなかったのも原因だが。
寺に通づる並木道にまず心を奪われた。大きな杉の木がわずかにカーブを描きながら並んでいて、上は木や葉で見えないが、そこから真上の太陽の光がこぼれ、その光が直線ではなく靄のように樹木にからんでいた。
ここは少し高台になっていて、来る途中少し急な坂だったので息も絶え絶えの状態でそれらを眺めた。
少し休憩してからまず一枚絵を描こうと思っていたら、隣の畑で作業をしていたおばあちゃんが、一緒にぶどうを食べようと言って声をかけてくれた。
絵を描きたかったがなぜかすんなりと誘いに乗って道端に座り込み、話をしながら食べた。
だいぶ年を取ったおばあちゃんだったが明るく面白かった。
ぶどうを三房もらってそのうちの一房を食べたあと並木道を見ると、もう太陽が傾いたためさっきのような光景はなくなっていた。それから500メートルの並木道を進み、寺に行く。
寺そのものは別に何ともなかったが、その門やそこまでのアプローチが良くて門の絵を1時半近くまでかかって描く。
描き始めは12時40分頃だ。かなり時間がかかったがいい絵が描けた。
昼は寺の境内にあった東屋で食べ、黒部市の海岸へ向かう。
向かい風と分かりにくい道とで思うように進まずに海岸に着いたのは5時前だった。
もう夕焼けのピークの頃で急いで絵を描く。
テントは浜辺に張る。
夕食はまあまあ美味かったが時間や手間がかかった割りにはそれほどでもなかった。
小麦粉にレトルトのミートソースを混ぜて焼いたものだ。